
「最近、ときどき胸がドキドキする」「階段を上ると息が切れる」「一瞬、脈がとぶような気がする」といった症状はありませんか?
これらはすべて「不整脈」のサインかもしれません。
不整脈は、放置してよい軽症のものから、命に関わる危険なものまで様々な種類があります。
今回は、内科・循環器内科の専門医の視点から、不整脈の基本的な仕組みと、見逃してはいけない危険なサインについて分かりやすく解説します。
1. 不整脈とは? 3つのタイプ
不整脈とは、心臓を動かしている「電気信号」の乱れによって、脈拍が正しく打てなくなる状態の総称です。主に以下の3つのタイプに分かれます。
- 頻脈(ひんみゃく): 脈拍が異常に速くなる状態(1分間に100回以上)
- 徐脈(じょみゃく): 脈拍が異常に遅くなる状態(1分間に50回未満)
- 期外収縮(きがいしゅうしゅく): 本来のタイミングとは違うところで、一瞬脈がとんだり不規則に打ったりする状態
2. 「これって不整脈?」注意すべき初期症状
不整脈は自覚症状がないケースも多いですが、以下のような心当たりがある場合は注意が必要です。
- 動悸(どうき): 胸がバクバクする、脈がドクンと強く跳ねる
- 息切れ: 少し動いただけで息が苦しくなる
- めまい・立ちくらみ: 頭の血の気が引き、ふらつく(脳への血流が一時的に低下しているサインです)
- 強いだるさ: 体がいつも重く、疲れが取れない(脈が遅い徐脈の可能性があります)
3. 【重要】、即座に119番(救急車)を要請すべき「危険なサイン」
これらは命に関わる重篤なリスクが極めて高い危険なサインです。
- 突然意識を失った(失神した)
- 激しい胸の痛みや、胸が締め付けられるような圧迫感が続く
- 激しいめまいで立っていられなくなる
- 脈拍が非常に速く、1分間に120〜150回以上の状態が続く
4. クリニックで行う不整脈の検査
不整脈の多くは、症状が出ている「その瞬間」の心電図をとらなければ診断がつきません。当院では、患者様の症状に合わせて適切な検査を行います。
- 標準12誘導心電図: 診察時に行う、最も基本的な心電図検査です。
- ホルター心電図(24時間/1週間): 小型軽量の装置を身につけ、日常生活の中での24時間の脈の動きを記録します。当院では1週間程度の長時間の検査も可能で「時々しか症状が出ない」という方に非常に有効です。
- 血液検査・レントゲン: 不整脈の背景にある、生活習慣病(高血圧・糖尿病など)や内分泌異常(甲状腺機能異常など)、心不全の併発などの有無を調べます。
5. 日常生活で心臓への負担を減らすコツ
不整脈は、加齢だけでなくストレスや過労、生活習慣の乱れが引き金になります。
- 質の良い睡眠をとり、疲労やストレスをため込まない。
- アルコールやカフェイン(コーヒーやエナジードリンクなど)の過度な摂取を控える。
- 禁煙を心がける(ニコチンは心臓に強い負担をかけます)
まとめ:少しでも違和感があれば、お気軽に当院へ
「気のせいかもしれない」「いつもすぐに治まるから」と放置してしまうと、思わぬ大きな病気を見逃してしまうことがあります。
不整脈には放置可能なものから、突然死の原因となる重症致死性不整脈まで様々な種類があります。
治療についても、薬物治療(抗不整脈薬、抗凝固薬など)、非薬物治療(カテーテルアブレーション、ペースメーカー、植込み型除細動器など)の双方が充実しており、現在も新たな治療法が次々に開発され実施可能となってきています。
適切な診断のもと、それぞれの患者様の不整脈に合わせた治療を行うことが、症状の改善のみならず命を守ることにもつながります。
また、一部の不整脈に関しては、カテーテルアブレーションでいわゆる「根治」が期待でき、疾患から解放され、内服治療や通院すらも不要となることも少なからずあります。
当院の内科・循環器内科では、患者様一人ひとりの症状に寄り添い、丁寧な検査と分かりやすい説明を心がけております。
検査の結果、より高度な治療が必要と判断された場合は、近隣の基幹病院や私が普段勤務している順天堂大学医学部附属順天堂医院での治療にスムーズに繋げるようにしております(順天堂医院でも私自身が診療いたしますので、大学病院と地元のクリニックで継続性のある診療が可能です)。
少しでも胸の違和感や健康への不安がある方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。